「あやうく一生懸命生きるところだった ハ・ワン著」を読みました


図書館で借りてきたの。
著者は韓国の方だけど、共感できる部分が沢山あって、「そうそう、そうそう」って何度も頷きながら、すんなり読めたの。
一生懸命生きて、苦しくて辛い思いをしている方。
おすすめよ。
50年以上も生きてしまったけれど、一生懸命やれって言われることは有っても、一生懸命やらなくて良いとは言われた事ないわ。
けど、馬鹿正直に一生懸命やったばっかりに壊れた部分は有るのよ。
そんなに一生懸命生きなくて良かったんだなって目から鱗よ。
目次の順に短い要約を、まめまるの心に響いた部分を中心に書き連ねてみたわ。
プロローグ:今日から必死に生きないと決めた

著者は必死に生きてきたの。
会社員とイラストの仕事のダブルワークをしながら。
我慢しながらベストを尽くして、一生懸命頑張ることが真理だと疑わずにね。
けど、40歳を前にして、幸せになるどころか、どんどん不幸になっている気がしたの。
だから立ち止まることにしたのね。

第1章:こうなりたくて、頑張ってきたわけじゃない

・何のために頑張っているんだっけ?
生きてる社会は競争社会。
これは事実よね。
で、一生懸命やってるのにどうにも負け続けている気分がぬぐえなくなったのね。
そこで、会社を辞めてみるの。
1度くらい勝ち負けにこだわらない生き方をしてみたくなったって訳よ。
レースから降りてみることにしたのね。
そして、考えたのよ。
知らず知らずに参加していたレースだけれど、タイトルは果たして何だっけ?って。
誰が一番お金を稼ぐでしょうか大会?
誰が一番最初に家を買うでしょうか大会?
誰が一番出世するでしょうか大会?
レースの名前も知らず、競争している相手も分からず参加してのに、負け続けている気分だったのね。

・努力は必ず報われるわけじゃない
子供の頃から精神論を刷り込まれてきたと言ってるわ。
「一生懸命やりなさい」とか「頑張らない物は何事も得られない」とか「努力なしに得た成功は成功じゃない」とかってね。
でも気が付いたのね。
努力しても必ず報われるわけじゃないって。
努力してもどうにもならないとか、努力した分の見返りが無い場合も有る一方で、努力した以上の大きな成果を収める場合も有るって。
人間は生まれつき不公平に作られていて、何事も頑張れば叶うなんて嘘で、自分の努力が足りないせいじゃなかったんだって。

・そもそも、やる気が無くても働ける
会社は往々にしてやる気を求めてくるわよね。
けど、やる気がないままお金を稼ぐためだけに働いたってかまわないって言ってるわ。
やる気は自分の為に使うべきなんだって。
だってね。
やる気の根底には愛情が有るんだって。
だから、愛情が無ければやる気何て生まれないのよ。
しかもやる気はすり減るし、それほど頻繁に生まれるものでもないし、持続可能な物でもないらしいの。
だからね。
むやみに使うと本当に使いたい時に使えなくなるんだって。

・「人生マニュアル」を捨てて自分らしく
なんで結婚しないの?何で家を買わないの?何で車を持たないの?この年齢なら年収はこの位無いと…。
これまで欲しがってきたものが、全て他人が提示したものだったと気が付いたのね。
本当に恥ずべきは、何も持ってない事じゃなくて、自分なりのポリシーや方向性を持たずに生きてきた事実だと知ったのよ。

・もう「金持ち」になるのはあきらめた
お金が最高という物質万能主義の地代を生きているから、お金を目標に生きてきた。
どう暮らしたいか?どんな仕事をしたいか?より稼げる道を追いかけて来たんだって。
けど、気が付いたって。
お金を追いかけるあまり、本当に大切な物を見落としてきたことに。
だから、お金持ちになるのをあきらめたんだって。

・ほかの選択肢はないという「執着」
受験生だったころ、韓国一の難関美大ホンデをを目指してた著者。
ホンデじゃなければ美大に有らず。
ホンデに入学すれば人生を変えてくれると信じていた。
人生は成功するし、大企業からのスカウトも絶えないと思っていた。
結局、4度目の挑戦で入学できたけれど、3度目の挑戦を失敗した時は命を絶とうとしたの。
サクセスストーリーなんかじゃなかったって。
ほんの少し顔をあげて周囲を見渡せば、他の選択肢が色々とあると気が付くのに、執着してしまうと見えなくなるものよ。
たった一つ、この道だけが唯一の道だと信じた瞬間に悲劇が始まると知った。
世の中にはたくさんの道が有る。
今の道が、あまりにもつらく耐えがたいのならあきらめろ。
あきらめたって問題ない。
目標を諦められず、命まで絶ってしまうなんて悲劇でしかない。
1つの道にこだわりすぎるのは、他の道をあきらめているのと同じことだと気が付いたの。

・必要なのは、失敗を認める勇気
我慢して闇雲に努力することだけが能力じゃない。
いま必要なのは努力より勇気。
努力と時間が実を結ばなかったら、潔くあきらめる勇気と失敗しても無謀でも新しい事にチャレンジする勇気。
多くの労力や時間を費やしてきたものほど損切りが出来ないけれど、適切な時期に、まだもう少し無理できそうでも勇気をもってやめること。
その選択こそ、利益だから。

・人生に「正解」を求め過ぎたばっかりに
人生には自分の力だけでコントロール出来ない部分がかなり多いわ。
右に行きたいと願っても、大きな流れによって左に流される場合だってある。
右が正解の場合も有るけれど、流されて左に行ってしまって結果的に良かった場合も有る。
正解を選ぼうと慎重になるけれど、もし違う道を選んでも、実は結局大して変わらなく暮らしてるんじゃないかと思ったんだって。

・私だけの人生をうまく描くコツ
力むと言うのは柔軟じゃないってこと。
恐れがあるって事。
絵も歌もスポーツも力んでうまくいったためしがない。
多分、人生も。
だから、頑張らず、力まず、恐れず1歩踏み出そう、だって。

・そこまで深刻に生きるものじゃない
人生はなぞなぞみたいなものなんだって。
なぞなぞは正解しなくてもいい。
間違っても楽しむことが目的なのに、正解を探すことに必死になりすぎてる。
深刻になりすぎなくて良いし、真摯に向き合わなくても良いし、答えを探す必要だってない。
人生は答えじゃなくて、リアクションが重要な試験なんだから。

第2章:1度くらいは思いのままに

・年を取ってから遊ぶだなんて!
お金を稼がないといけないとか、扶養家族が有るからとか、老後の準備をしないといけないからとか。
大人は遊べない理由が沢山ある。
遊ぶためには大義名分が必要だけれど、遊びたいならもう少し欲望に正直になっても良い。
大義名分は、あとから作ればい良い。

・自由を売ったお金で自由を買っている
サラリーマンは今の自由な時間を会社に売ってお金をため、将来の自由を買っている。
自由な時間を享受しながらお金も入り続けるのが良いけれど、それは欲張りな話。
だから給料を諦めて、時間を選択した。
自由に費やしたお金が無駄にならないように堂々と楽しむことにしたんだって。

・「何もしない」とは、究極の贅沢
サラリーマン時代は、自分の時間が足りなかった。
やりたいことが有るのに時間が無かった。
今は腐るほどある。
なのに、やりたいことが無い。
ひょっとして、自分の時間が欲しかったのは何かがしたいからじゃなく、何もしたくなかったからじゃないのかって気が付いたんだって。
何もしない時間は実は大きな意味が有る。
使い果たしたエネルギーをチャージしているのかもしれないと思ってるんだって。

・人間関係の疲れを「ひとり時間」で癒す
ひとりの時間を望むのは、人間関係につかれている証拠だって。
ひとりの時間は治癒の時間。
但し、ひとり時間を楽しんだら、必ず人間関係の群れの中に戻らないといけないんだって。

・‘’自分だけの人生‘’は失敗の上に成り立つ
皆が良いと言ったものが、はたして自分にとっても良い物だろうか?
1本の映画、1回の食事すら、口コミを見て、無難だとする他人の評価ばかりを参考にすると自分の好みが分からなくなっていく。
失敗しても良い。
後悔すれば良いだけ。
少なくとも、誰かの言いなりになる他人の人生は歩まずに済むよ。

・たまに年齢を忘れてみる
挑戦したいことが有るのに、年齢を理由にあきらめるなだって。

・「ムダ足」こそ、人生の醍醐味だ
明確な目標と目的が有る行動は、いわば成就の領域であり、楽しみじゃない。
偶然の楽しみで一杯の目的のない散歩こそ、人生を豊かにしてくれる醍醐味かもしれない。
計画は必要だけれど、計画はあくまで計画。
思い通りにいかなくても落胆する必要なんてない。
のんきに行こう。

・あなたの内面はパンツに表れる
下着はいつも後回しにされる。
だって、外から見えないから。
かつては、外から見えるものだけに価値を置く人間だった。
でも、内面も素敵じゃなきゃ。
目に見えることだけにしか気を配れない人間にはなりたくないと思い、下着を買いに行くことにしたんだって。

・「やらかさなかった」後悔は後を引く
あれこれ描いた夢が有った。
けど、何も行動をしなかったから何の痛みも味わうことなく過ぎ去った。
なのに、なぜか胸の奥が苦しいと感じた。
例え下手こいても、もっとやらかすべきだったかもしれないと後悔してるんだって。

第3章:生きていくって、たいしたことじゃない

・「やりたい仕事」なんて探しても見つからない
無理やり探さなくって大丈夫なんだって。
いつの日か向こうからやって来るからって。

・いつかはみんな会社を辞める
著者はほんの少し早く辞めただけ。
1つ終わらせて、やっと次が見えてくる。
そういうタイプだからって。

・仕事にアレコレ求めすぎてない?
お金を沢山稼げるほど良いし、自己実現出来て、面白くて、そこまできつくなくて、休みも多くて、尊敬されて…。
実際、そのうちの1つか2つ満たされてたら良い仕事じゃない?
食べていければ良いのだから。

・その「生きづらさ」はあなたのせいじゃない
良い大学に行って、良い会社に入って、入ったのに雇用不安と過度の業務に苦痛を訴えてる。
思いっきり夢を見ても良いし、特別な夢なんかなくても幸せでいられる世の中で有ってほしいって願ってるって。

・「正解社会」に必要なのは多様性
正解は1つじゃない。
多様な生き方と仕事が出来る世の中になってほしい。
お金を沢山稼がなくっても幸せに暮らせて無視されることも無く、みじめでも無い世の中になってほしいと思ってるんだって。

・たとえ片思いに終わったとしても
夢は試しもせずに諦めると、あきらめたことはずっと残り続けるから。
挑戦する権利を持っているから。
たとえ、それが敵わない恋だとしても。

・無いなら無いなりに暮らせばいい
借金が嫌い。
借金してまで、どうして生活レベルを上げるのか?
ただの自己満じゃないの?
無ければ無い様に暮らせば良くない?
ほんと、そうよね。

・お金のために自由を後回しにしない
お金を沢山稼いだら自由になれると思ってた。
けど、稼いでも稼いでも満ち足りなかった。
たぶん、お金のために自由を後回しにし続ければ、僕らは一生自由になれない。
自由を知らずに老いて死ぬ。
このままでは危ないよ。
人生は1度きりなのに。

第4章:あやうく一生懸命生きるところだった

・少しくらい遅れたって気にすんな
人はそれぞれ、その人なりの速度を持っている。
皆とスピードを合わせようとするから辛くなる。
無理に合わせず、自分のペースに忠実になるだけで、違う生き方になって、個性となる。

・思い通りにいかないほうが正常だ
人生は自分の願いや選択が叶う方が少ないのかも?

・理想通りじゃない「現状」を愛する
生きることが苦しいと思っていた時期。
沢山の夢をつかもうと手を伸ばしたけれど、夢は指の間をすり抜けて飛んで行った。
それでも幸せになりたくて、苦しくても歯を食いしばって頑張った。
しかし、いつまでたっても幸せを感じることは無かった。
なのに、自分のありのままを認め苦労するの止めたら、些細なことに幸せを感じられるようになった。
理想通りじゃない今の姿だって捨てたもんじゃない。
夢を叶えられたら素敵だけれど、叶わなくても「惜しかったなぁ」くらい。
失敗じゃない。

・人生に大切なのは「ひげ戦略」
つまり選択と集中。
多くの女性はひげを敬遠しがち。
でも、ひげマニアも少数いる。
大多数に良く見られたい思いを放棄し、ひげマニアというごく少数に的を絞るのだ。
万人に受けることをしても結果は変わらない。
だったら、自分が好きなことをやった方が良い。

・普通で、つまらない毎日を幸せに過ごす
人生の大半はつまらない。
だから、もしかすると満足できる生き方とは、人生の大半を占めるつまらない瞬間を幸せに過ごすことに有るんじゃない?

・ダメな自分を認めたら、自尊感が増してきた
自尊感:自我尊重感。自分を愛し、尊重する心。自尊感が低いと劣等感を感じやすく、自戒の念に陥りやすいという。
幻想を捨てて、ありのままの自分の姿を認めて愛すると、自尊感が向上した。

・手っ取り早く自分を不幸にする方法
他人との比較。
しかも、同等か格下に見ている相手との比較。

・「仕組まれ欲求」に惑わされるな
世界は僕らが不幸だとだましている。
不幸になりたくなかったら、もっと所有しなさい、と。
騙されて買わないようにって。

・若い頃には戻れなくていい
失って初めて価値に気が付く。
けど、物寂しくても、余裕を楽しめる今の方が良いらしいわ。

・何かを失うと、何かを得られる
何かを失った時には失ったことに気をとられて、何かを得ている事に気が付かない。
反対に何かを得ようとするときは、失っている事に気が付かない。

・大切なのは「結果」ではなく「物語」
人生は結果だけでは評価できない。
だって、物語だから。

・人生、意外と悪くないかも
期待すると必ずがっかりする。
期待しなければ、ラッキーの連続。

エピローグ:さようなら、一生懸命の人生

天才は努力するものに勝てず、努力するものは楽しむものに勝てない。
一生懸命より楽しく。

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