母の気持ちも分かるし、父やご先祖様の事を思えば迷うことなく「行くよ～」と言いたいところだけれど、「うー様の状態次第で行けるかどうか分からない」のが現実。
今日は山彦さんが仕事の日。
もしも状態が悪くなったら、うー様を一人残して長時間家を空ける事はしたくない。
母に良い返事をして、結果行けなかったらがっかりするのか分かっていたので、「行ける状況なら出来るだけ行くようにするからね～」と言うしかなかった。
私が「必ず行く」と確約しないもんだから、母は顔を合わせば今日の事を持ち出し、「来て欲しい・・・」と訴えていた。
「あぁ、ひどくなったら行けないなぁ」そう思っていた。
ところが、2日程で出血が止まった。
今日は、全く出血していない。
おしっこも出てるし、見た目の状態も変わったところは無さそう。
ならば、行かない理由は無いが、やっぱり心配だから、開始ギリギリに行って終わればすぐに帰宅しようと決めた。
バタバタと掃除を済ませて身支度を整えた。
外は雷鳴轟く豪雨。
雨具を用意し、玄関を出た。
玄関を出た途端、雨が止んだ。
「えっ？？？」
結局バス停までの道で、傘を開く事は無かった。
ICOCAに1000円をチャージし、改札を通る。
5分程で快速電車が来たので乗り込む。
降りる駅の一つ手前の駅でアナウンスが流れる。
「京都で異音の発生が有り、点検中の為、発車待ちになります」と。
アナウンスは何度か流れて、結局15分遅れで発車する。
目的の駅には、当然15分遅れで到着した。
慌てて、さらに乗り継ぐためにバス停に向かった。
目的のバスが、停留所に止まっていた。
既に乗客が乗っていて、エンジンもかかっている。
小走りで駆けつけて、飛び乗ると、直後に発車のアナウンスが有った。
間に合うのかと心配したけれど、電車が15分遅れたことで、バス停でバス待ちをせずに、ここでも雨にあたらずに済んだ。
予定通りの時刻に、お寺に着いた。
住職さんにご挨拶を済ませて、本堂で法要が開始されるのを待つ。
続々と人が集まり、用意されていた椅子がほぼ埋まった。
遅れて来る母の為に、隣の席をバッグで確保する。
開始予定時刻の13時になったが、設備の不備が有ったようで、すぐに始まらなかった。
結局10分程遅れて始まった。
母はまだ来ない。
扉が閉じられて、読経が始まった。
目を閉じて集中する。
しばらくして、扉があいた。
母が到着した。
まだ、法要は始まったばかりだ。
スタートが遅れたのが幸いした。
それから長い長い読経が続いた。
打ち鳴らされる太鼓の音。
鐘の音。
お線香の匂い。
クーラーの風。
時折読経しながら移動されるお二人の住職さんの衣擦れの音。
朗々と唱えられる長い長いお経。
私は、その空間に身を置いて、ご先祖様と父に母の事、うー様の事、相続に関する事等の今の状況を報告する。
そして、私の決心と感謝を伝える。
その上で、今後について、困難が有れば助けて欲しいと願う。
まるで、父や祖母、祖父が目の前にいるかのように、心の中で語り掛ける。
長い長い時間。
長い長い祈り。
今日は、その長さが嬉しい。
お焼香の順番が回って来た。
耳の聞こえない母に身振り手振りで伝えて、順番に済ませる。
父の戒名が書かれた卒塔婆の前で、手を合わす。
法要が終了した。
母が「来てくれてありがとう。お陰で無事に済みました。良かった～」と満面に笑みを浮かべる。
想像以上の喜びように、母の声が父の代弁に聞こえた。
あぁ、父が喜んでいる。
そう思った。
来れて良かった、母の願いを聞いてやれて良かった。
余韻に浸りつつ、父の話を母としたかったが、そうも言ってられない。
一刻も早くうー様の元に帰ってやらねば。
母とお寺で別れて、お寺から最寄りのバス停に着くと、すぐにバスが到着した。
バスを降りて電車のホームに上がると、遅れていた快速電車がすぐに到着した。
電車を降りて、最低限の夕食の買い物済ませる。
自宅に向かうバスに乗ろうとバス停に着いたら、またまたバスが待っていてくれた。
因みにこのバスの路線は、1時間に1本しかないけど自宅のすぐそばまで行くバスで、めったに時間が合わないので、いつもは少し離れたところに停留所がある別の路線を利用する事が多い。
つまり、ミラクル。
ミラクルが次々と重なって、信じられないスムーズさで帰宅出来た。
結局傘を使う事も無かった。
自宅に着くと、心配していたうー様が元気で出迎えてくれた。
出掛ける時と変わらぬ姿を確認し「元気でお留守番してくれてありがとう」と言いながら抱きしめて撫でた。
「にゃご」
少し休憩し、洗濯機を回し始めた途端、すさまじい雨が降り始めた。
本当に何なのだ。
ミートボール定食
白菜のおかかマヨサラダ
なめこの味噌汁
ヨーグルト 85円
ピザチーズ 368円
なめことニラで 99円
税込み合計 1033円
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