今日の晩御飯　2022年3月21日

トマトケチャップ　98円
しめじ　98円
たまご　98円
きゅうり　38円
たまねぎ　38円×３
なす　2本　98円
ほうれん草　98円
豚肉　きりおとし　321円
納豆　58円
バターロール　108円

今日は、山彦さんと岡山県のとある神社にお出掛けする予定だった。
いや、実際に朝7時に出発した。
早起きして、準備して、良いお天気で。
ペットボトルのお茶を持って、目的地まではシェリーちゃんでドライブを楽しむ。

久しぶりの遠出に心が躍る。
楽しみだった。

異変は、出発して30分もたたずにやって来た。

高速道路に乗って、山彦さんが追い越し車線に車線変更し、スピードを上げた時だった。

恐怖と不安が私に一気にやって来た。

急に怖くて怖くてたまらなくなった。

パニックになった。
「ゆっくり走って欲しい・・・」「帰りたい」とお願いするのが精一杯だった。

通勤電車に乗れなくなった、あの時と同じだった・・・。

手が震えて、涙が出た。

血の気が引いて、眩暈がして気分が悪くなった。
どうにも堪らず、パーキングエリアで降ろしてもらい、吐いた。

山彦さんの運転はおそらく上手い。

おそらくと言うのは、私が運転しないから、良く分からないと言う事。

そして、時々悪態をつく。

それは具体的なものでは無く、短い言葉が多い。

「だぼっ」「何してんねん」「どいてくれ」・・・。
私に向けられた言葉では無く、他の主に高齢のドライバーさんに向けられた言葉。
ケド、山彦さんが言葉を発するたびに、私は怖くて委縮する。
実際に私に対して、力や言葉の暴力が有るわけではないし、それを恐れている訳じゃ無い。
山彦さんがイライラして、その結果として事故に繋がるんじゃないか？
事故して、2人で一緒に死んだら、うー様はどうなるんだろう・・？
そんなことを勝手に連想して、不安でたまらなくなるのだ。
気にしてない風を装って、「世の中には、高齢の方は勿論だけれど、若くても健康状態に異常が有って、正常な判断ができにくい状態の人も現実として運転しているから、皆が自分と同じものが見えていて、聴こえてて、判断で来ていると思わない方が良いよ」等と言ってみるが、余計にムキになりそうな空気が張り詰めて、言ったことを後悔する。
おそらく、大抵の人には何てことない事なんだろう。
気にし過ぎだと笑われるんだろう。
けれど、私には(今の私には・・・なのかもしれない)一つ一つの山彦さんの言葉が、刺さる。

今日は、そんな悪態も無かったのにどうしてだろう・・・。
理由は自分でも分からない。
けれど、山彦さんの運転する車に乗るのが、いや山彦さんが、怖いんだろうな、私。

パーキングで少し休んだら落ち着いてきた。

だから「もう少し休んだら行けそうだよ」と山彦さんに言った。
けど、「帰ろう」「もう二度と行かない」が返事だった。

悲しかったのは、山彦さんから「大丈夫？」の言葉が一言も無かった事だった。
大丈夫な事が分かっているのだろう。
今までも、同じような事は有ったから。

実際、体が悪いのではなく心がパニックを起こしているだけだから、落ち着けば体の不調も治まる。

自分でも、それは分かっている。

結局、予定を中止し1時間ほどで帰宅。
山彦さんは、さっさと自分の部屋に消えて行った。
ばんっという、ドアを閉める大きな音がした。
帰宅途中に徐々に回復して、家に着いた頃にはほとんど落ち着いていたけれど、一応着替えて休んだ。
お布団の中で、丸くなった。
案の定、程なくして回復。
そりゃそうだろうな。
怖いと思うところから離れたんだから。

結局、一人で買い物に出掛けた。
モヤモヤした気分を、外の空気に一掃して欲しかった。
山彦さんと同じ家の中に居るのが苦しかった。

いつものスーパーで、いつものように買い物をする。
段々と元気になって行った。

体調不良とは言え、私が原因で今日の楽しみが無くなってしまったことは、山彦さんに申し訳ないなと思った。
だから自分のお小遣いでドーナツを買った。

帰宅した。
電気が消えた自宅は昼間でも暗い。
キッチンでドーナツを一つ、お皿に乗せた。
また涙が出た。

 

 

山彦さんは自分の部屋にいた。
「ご迷惑おかけしました」
それだけ言って、ドーナツが乗ったお皿を置いた。

ここまで書いて読み返すと、まるで山彦さんを責めている感じもする。
けれど、山彦さんが悪いと思ってるわけでは決してない。
山彦さんにしたら、訳が分からないと思う。

私が、誰かと一緒に生きるのに向いていないのだ。
近くに居る人の言動で、心に影響を受けすぎるのだ。
親子でも兄弟でも夫婦でも。
受けすぎて、体にも不調が現れるのだ。
ただそれだけ。
夫が山彦さんでも、他の人でも同じだと思う。
悪いのは私なんだと思う。

自分でもどうすればよいのか分からない。
どうすれば、色んなことが怖くなくなるのか、分からない。
分からないから、同じような事が繰り返される。「困ったもんだ」と声に出して言ってみた。
「大したことじゃないよ」と、言ってみた。
「心配ないよ」も追加してみた。
うー様をだっこするついでに、自分で自分をぎゅっとしてみた。