今日のうー様　2022年5月24日

昨日の午後から、またおしっこが出なくなった。
今日はしっかり薬も飲ませたのに、ほとんど出ない状態になった。
尿意は有るようで何度もトイレに行ってしゃがんでいる。
けど、出ない。
「でないの～」と言いたげな顔で、上目遣いに私を見上げる。
病院に連れて行きたいが、かかりつけクリニックは本日お休み。
全く出ていない訳ではないので明日迄、様子を見るしかないかな？と思うものの、しっかり出たのは昨日のお昼が最後。
不安が溢れる。

19時に山彦さんが仕事から帰宅。
今日のうー様の状態を伝えて、不安だと訴える。
山彦さんも「心配だから、今日診察してくれる別の病院に連れて行こう」と言ってくれた。
私が定期受診しているクリニックの近くに、動物病院が有るのを思い出し電話してみた。
20時までに来れるなら診てくれると言う。
急いで支度し、今までの経緯が分かるように医師から説明時に貰った文章と現在の排尿回数を記録した紙、飲んでる薬、食べてるご飯、もろもろ持参して連れて行った。

初めて行ったクリニックは、入り口から想像するより大きな病院だった。
医師もスタッフも沢山いる。
当然、患者さんも沢山。
それでも30分ほどで診察によんでもらえた。
膀胱はパンパンの状態だから導尿して出すと言う。
尿を出して、尿検査して考えましょう・・・と。
そりゃそうだろう。
昨日から出てないもん。
うー様だけを預けて、私と山彦さんは待合室に。
診察室のバックヤードに処置室が有るのだろう。
ドアを2枚隔てた先から、うー様の「やだ～」「帰る～」「離して～」と鳴く声が聞こえる。
心配で心配で、診察室の壁に耳を当てて、心の中で「頑張れ～」と声を掛ける。

しばらくすると、再び診察室に呼ばれた。
うー様を返してもらう。
抱きしめると、自らキャリーバッグに入った。
行くときは抵抗して入らないのに、帰るときは率先して入る。
良く分かっている。
入れば、お家に帰れると信じている。
うー様をキャリーバッグに入れて待っていると、先程の医師がやって来た。
医師の説明は衝撃的だった。
「導尿しようとしたら、尿管の有る所で抵抗が有りました。
そこを過ぎると、すっと管が入り尿もすんなり出ました。
尿量はパンパンの量。
ただし、内容は綺麗で、尿自体に問題は有りません。
尿道の抵抗が有ったところまで指を入れてみたら、米粒程度の塊に触れました。
恐らく腫瘍です。尿管に巻き付く形で出来ているのではないかと思いますが、はっきりは言えません。
手術は困難な場所でリスクが大きいので出来ません。
良性か悪性かも分かりませんが、それが圧迫して物理的に尿道がふさがっておしっこが出ないのでしょう。
ミニプレスは、意味がないので中止しましょう。
ステロイドは、飲めば炎症が治まり、一時的に尿管に隙間が出来て効果が有ります。
今後は、今日から3日間ステロイドの注射での投与を行います。
それで尿が出れば良し。
出なければ、再度導尿して、管を入れっぱなしにして排尿のコントロールを行います。
自宅では難しいので入院になります。
それ以降の事については、3日間の反応を見て考えましょう。
ただ、未来は大変で不安です」

機能性の排尿困難だと信じていたので、好きじゃない療養食を食べさせて、おやつもやめて、頑張って薬も飲んだのに、あんまりだ。
しかも手術も出来ないなんてあんまりだ。
まだ5年しか生きてないのにあんまりだ。
父を亡くして1か月もたってないのに、あんまりだ。
けれど、腑に落ちた。
だってミニプレスだけでは、出なかったのだから。
医師は、ステロイドを止めてミニプレスだけになると良いですねと言ったが、ステロイドを併用しなければ出なかったのだから。
診察室で涙が出た。
初めて診察した医師が、未来は不安だと口にした。
彼には、きっとこの先のうー様の運命が見えているのだろう。

帰宅し、療養食じゃない好きなカリカリをあげた。
好きなウエットフードもあげた。
沢山なでて、抱きしめて、褒めて、同じ布団で眠った。
夜中に目が覚めて、眠れなくなった。
うー様は、泣いてる私を不思議そうに見ている。

そうだ、出来る事はゼロではない。
腫瘍が良性で、ステロイドの注射が良く効いて、小さくなって、また自力でおしっこが出るようになるかもしれないじゃないか？
私が、その可能性を信じてやらずに誰が信じるのだ。
泣いてる場合じゃない。
愛しいうー様を守ってやれるのは、山彦さんと私だけなのだから。