今日の晩御飯　2022年5月19日

お肉や野菜を茹でると、灰汁が出る。
料理に雑味が残るので、せっせとすくって捨てる。
段々と少なくなるけれど、すっかりなくなる事は無い。
すくってもすくっても多少は出る。

私は、害を減らすための灰汁は取るけれど、味をなめらかにするためなら灰汁は出来るだけすくわないし捨てない。
灰汁も栄養。
灰汁も個性だと思っているから。
料理屋さんでお客様に出すなら、しっかりとる。
けれど、家庭料理ならむやみに捨てず、灰汁ごと楽しみたいと思う。

生きていると、灰汁の様に色んな問題が次から次へと湧いてくる。
取っても取っても、どこからか湧いてくる。
すっかり綺麗になる事は無い。
綺麗に解決して取りきれば、えぐみも雑味も無い美味しい人生が出来上がる。
けれど、実は人生のうまみや栄養は必死になって取り除いた灰汁に有るんじゃないかと思う。
時には灰汁ごと丸々飲み込んで、苦いなぁ、渋いなぁなんて言いながら味わってこそ、本当の美味しさが分かるし、血となり肉となるんだと思っている。
灰汁を飲み込む覚悟を持って、実際灰汁を飲み込まなければ、本来持っている灰汁のうまみや栄養を取り込むことは出来ない。
但し、限度と言うものが有る。
激しいえぐみや苦みは、栄養になるどころか体を壊す。
自分が壊れない程度まで薄めた灰汁を摂る。
なかなか難しい。