山彦さんと公園ランチ

先日のことでした。

その日は山彦さんが休日で自宅に居りました。
そして突然、山彦さんは「散歩に出かけよう!」と言い出します。
そう、計画性は一切なし!。
私達は、時々目的地無しの散歩に出掛けます。
目的地無しとは言え、それは名所旧跡を巡るとか、流行りのテーマパークに行くとかと言った誰もが知っている有名な場所を目的地にしないってだけ。
今日は北へ、南へ、山へ、海へ、勿論ある特定の場所や観光地を目指すことも有るけど、ガイドブックには載らない小さなお寺だったり、公園だったりがほとんどで。
そういう場所は、たいてい閑散としてて静かで、私達の日常にはない良い匂いがして、居心地よく、おまけに入場料が無料だったりします(笑)
無料なのは、今の私達にとってはラッキーポイントですが、そもそもそれが目的ではなくて、ただ単に賑やかな華やかな所、大きな音、人工的な匂い、混雑、行列等が苦手なだけ。
共働きで、収入が他人様並だった頃から変わりません。
だから、女性が好きだと言われるショッピングやねずみさんがいる夢の国も苦手で、頭が痛くなり吐きそうになります。
幸か不幸か、お出かけに関して言えば、元来の低コスト体質だったってことで。
お買い物は、ネットでぽちっと出来る時代になって、大変有難い限りと思います。
なので、SNSで自慢できるようなキラキラした生活とは程遠い。
だってね、「今日は○○神社に行ってきました!」「今日は△食堂でランチです!」ってあげても、どこやねん?だし、ありふれた例えばおでん定食だったりだし、多分100人中99人は羨ましいと思わず、イイネも付かない感じ。
ケド、良いのです。(堂々と)
世間様がどう思おうが、自分達が楽しければ。(さらに堂々と)
若かりし頃は、自分がそういう所が苦手だと気が付かず、友達に合わせていろんな所に出掛けて行って良く吐いてました。
信じられないことに、私の初めての海外旅行は「アメリカのフロリダにあるネズミの国ワールド」だったのですから、なんともトホホで。
無自覚って、怖いわ。

そんなことはさておき、肝心の散歩。
その日は、歩いて片道30分の公園に行くことに。
お昼前だったので、お弁当屋さんでお弁当を買って、公園で食べようとなって。
そうと決まった山彦さんの準備は早い早い。
ランチクーラーに保冷剤を敷いて、冷蔵庫の500mlのペットボトルのお茶を2本、ぽいっ。
「行くよ~」
・・・。
・・・・・。
「お待ちください」
ばばの身支度は時間がかかるのです。
とは言え、「近所の公園でお弁当」ですから、グルーミングもそこそこで。(えっ?)
正直に言えば、日焼け止めだけ塗って(10秒)
ぼさぼさの頭は帽子で隠して。
「どこが時間かかるねん」という雑音は無視してレッツゴー!

途中で唐揚げ弁当と巻きずし半分ときのこのおこわおにぎり2個セットとポテチをクーラーに追加し、公園に到着。
山肌に沿って、何層か遊ぶグランドがあるタイプの公園。
スロープになっている歩道を登っていく。
1層目と2層目には遊具が有って、間を滑り台がつないでいる。
小学生の女の子とお父さん、幼稚園児とお母さんの組み合わせで、ブランコに乗っているのがみえた。
3層目は簡単なキャッチボール位ならできるスペースになっていた。
さらに登れば、何かが有りそうだったけど、3層目でベンチに腰掛けて休むことにした。
手洗いと水飲み場が設置してあったからだった。
程なくして、中学生の男の子&小学生の男の子&お母さんという組み合わせの3人がやってきた。
ぼーっと見ていると、お兄ちゃんのカバンからバットが出てきた。
キャッチボールするんだな、だったらボールが飛んでくるかもしれないから移動しないといけないかなと思った。
すると、今度はテニスラケットが出てきた。
ん?
どういうこと?
すると、バッターボックスにお兄ちゃん、ピッチャーは弟君、守備はお母さんという配置で一直線に並び、予想通りキャッチボールが始まった。
但し、お兄ちゃんはバットだけれど、弟君が持っているのはテニスボールで、お母さんが持っているのはグローブじゃなくてテニスラケット。
弟投げる→兄打つ→母ラケットで打ち返す。
ほー、感心。
なるほど。
これなら、母の負担は少ないし、ボールがほかの人に当たっても、野球のボールほど痛くない。
時々、兄と弟が入れ替わりつつキャッチボールが続いた。
私たちが座っているベンチとは違う方角でのキャッチボール。
どうやら、安全そうなので、お弁当を食べることに。
山彦さんが唐揚げ弁当とおにぎり1個、私が巻きずし半分とおにぎり1個。
薄曇りで、空気が乾燥していて、時々木の匂いがして、ツクツクボーシの声が聞こえる。
とんぼが飛んできて、ベンチに止まる。
男の子とお母さんの掛け合う声がする。
お巻きもおにぎりも美味しい。
あー幸せ。
外で食べるご飯って、どうしてあんなに美味しいのだろうね。

てことで、ちょっと調べてみました。
いくつか理由は有るようですが、どうやら脳波が関係しているんだとか。
特に、β波。
β波は覚醒状態で緊張している状態で出る脳波と言われいて、これが出ているって事は、脳が活発に動いている状態で五感も研ぎ澄まされている状態で
人間は安全で身が守られている家の中より、いつ敵に襲われるかわからない外にいる方が警戒感が増し、緊張するため多くのβ波が出るので味覚や嗅覚が敏感になり美味しく感じるんだって。
空腹は最高の調味料って言われるから、お腹スキスキで、外で食べたら最強ってことだな。

だったら、あれだ。
「前日から絶食し、ベランダで道化師の衣装に身を包み、熱々のスープを綱渡りでもしながら食べる」とか、どうだろう?
スリリングで非日常で・・・。

 

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