山彦さん、お寿司に心奪われ

山彦さん

私の持病の定期受診の日。
いつものように、山彦さんが病院まで車で送ってくれて付き合ってくれる。
「病院に行ってから、お寿司を食べて帰ろう」
そんな予定を立てて診察が終わるのを車で待っててくれるのだ。

実は今年の春頃から、脈の不整をたまに感じていた。
どくんどくんと。
そして少し苦しい。
頭痛がして、吐く。
気が遠くなる。
昔から健康診断を受けると、たまに心電図で引っかかり再検査を受けていたが、いずれも経過観察で、と治療に至った事は無い。
検査を受けるタイミングも有るのだろうか。
それとも症状が一過性で、問題ないのだろうか?
今まではほぼ無症状だったから、「要再検査」と言われても何かの間違いじゃないの?と思っていたぐらいだった。
今春以降も、気にはなっていたけれど、毎日症状が出る訳では無いし。
症状が無くなれば忘れてしまってたり。
所詮その程度の話だったが、山彦さんには伝えていた。
「病院に行こう」
だから、そう何度も促されていた。
が、時を同じくして父の状態がどんどん悪化していったので、万が一検査を受けた結果、自分の治療が開始になりサポートが出来なくなるような事は有っては困る、今は避けたいと、拒んだ。
いや、言い訳かな?
ただ、病気だと言われるのが恐ろしかっただけなのかも。

ところが、先月は症状が出る回数が増え、強くなってきた。
診察を受けていないのだから、不安ばかりがつのる。
悪い想像ばかりしてしまう。
マズい?
心疾患でぽっくり行けたら、ある意味本望だけれど、今は宜しくない。
せめて父を送ってからだ。
仕方ないから病院に行こう、と決めた。

そんな中、11月10日に試用期間が終わり、山彦さんが契約社員となった。
国保から社保へ保険が変わる。
ケド、保険証が出来ていない状況になった。
山彦さんが会社に聞いてくれたけれど、2から4週間は掛かる、と。
そりゃそうだろう。
病院に事情を説明し、自費で支払っても良いと思ったが2週間程度で出来るなら、それを待とう。
んで、待てないくらいの症状が出てきたら、自費で掛るしかないかぁ。

そして、11月30日。
晴れて保険証を受け取った。
お陰で、今日の定期受診でかかりつけ医師に相談できた。
定期受診自体も、2週間ほど遅らせていた。
去年の会社の健康診断の心電図でも引っかかり、かかりつけ医に再検査をお願いしたので、去年の結果が残っている。
とりあえず、心電図をとってもらった。
結果は、去年とそんなに大きく変わっていない。
ほっ。
けど、気になるだろうから血液検査もしておこう、と。
検査の結果は来週には出ているらしい。
「凄く疲れるとか、大きなストレスや心配事が有ると、人間だからそんなことも起こるよ」
「血液検査の結果次第だけれど、恐らくそんなに緊急性は無いと思う。でも、気になるなら電話しておいで~」と医師が優しい。
それを聞いただけで、結果は次の診察時で良いと判断した。
どうやら、大丈夫そう。
いつも通りに処方箋を受け取り、会計を済ませて病院を後にした。

心配してくれているであろう山彦さんに報告しなければ・・・。
逸る気持ちを抑えて、車で待っている山彦さんの元に。
「お待たせしてごめん」と私。
当然「どうだった?」山彦さん、が続くと想像していた。
がっ。
現実は「大丈夫11時に予約がとれたから」山彦さん、だった。(えっ?)
どうやら、私の結果より、お寿司屋さんで頭がいっぱいらしい。(苦笑)
がっかりしたけど、お寿司を食べてお腹が満たされたら、聞いてくれるだろうと思っていた。(望)
けれど、食べ終わっても、結局「どうだった?」とも「大丈夫?」とも、山彦さんの口から聞くことは無かった。(悲)

受診に付き合ってくれるのだから、心配はしてくれているのだろう。
けど、ラブラブ度は「お寿司>私」らしい。
がっくし。

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