散華って言うんだって

雑記

先日、お寺にお彼岸の法要に行ってきたの。

実は、法要を楽しみにしていた母が脳出血で入院しててね。
出血したのは、透析の日だったんだけど、当日は挙動がおかしかったみたいでね。
透析を受けている病院の看護師さんからまめまるに連絡が有ったのよ。
「左右の靴下が違う物を履いてるし、ズボン下は履いてるけどズボンは履いてないし」
「昨日、眠れなかったと言われてるので、眠くて寝ぼけているだけなら良いですが、いつもとは様子が違うので血液検査と脳の写真を撮らせていただきました」
「検査の結果が異状なしなら、このままお帰り頂きますが、晩に様子を見に行ってあげてください」って。
本当に有りがたいわね。
ちゃんと検査していただいて、助言も下さって。
電話口でひれ伏したわ。
でね、1時間後位だったかしら?再び病院から連絡が有ったのよ。
今度は、事務員の方でね。
でも、すぐに主治医に変わられて。
「脳の写真から、脳出血が確認できました。脳の処置と透析が両方できる病院に転院になります。受け入れ先の病院が決まりましたら再度連絡します」
「出血の範囲は、今は狭いけど、広がる可能性は普通よりも高いです」
そう言われて、内心、もう生きてる母に会えないかもしれないと覚悟をしながら、転院の連絡を待ちったのよ。
それから更に1時間ほどたって、我が家から近い場所にある病院が受け入れて下さることになったと連絡が入ったから、私は転院先に駆け付けることになったわ。
転院先に着くと、母は救急処置室で、検査や点滴の処置を受けてたの。
16時半頃に駆け付けたんだけど、それから20時頃までそんな状態で救急処置室の前で待機だったの。
途中で看護師さんが、「お母さんが点滴の管を抜かないように見てあげてもらえますか?」と声をかけて下さって、会わせてくれてね。
手を握りながら、少し話が出来て、緊張が緩んだわ。
結局、20時過ぎにICUに入り、脳外の医師から全般の説明が有ったのよ。
「明らかな出血の広がりが見られないので、ICUで1晩様子を見て、変わりが無かったら、一般病棟に転棟します」
「その後は、検査やリハビリをしながら転院を目指します」
「今は麻痺らしき症状が出ていませんが、だとしても、今までと同じように自宅退院は難しくて、リハビリと透析が出来る病院に転院するか、施設に変わることになります」
あちゃ~、よ。
でも仕方が無いじゃない?
なるようにしかならないもんね。
で、翌日、入院グッズ一式を持って面会に行ったの。
夕方だったのだけれど、ちょうどICUから一般病棟に転棟になるところでね。
ストレッチャーにのった母と、少し話をさせてもらったわ。
ところが、この日の晩。
母から妹にメールが届いて。
端的に言えば、感謝の言葉と迷惑を掛けてごめんと詫びる言葉だったけど、母のいつもの感じの文章で、ちゃんと辻褄が合うメールだったの。
「おや?意外と大丈夫そう…」って思ったわ。
透析の病院の看護師さんや医師が早く気が付いて、対応して下さったから良かったに違いないわね。
で、そのまた翌日。
脳外の主治医から連絡が有って。
「経過を見てますが、やっぱりこれ以上の出血の広がりは、今のところ無さそうです。なので、当院で嚥下や歩行のリハビリをしながら、まずは透析とリハビリが出来る病院への転院を考えようと思います」って。
おぉ、良かった。
で、さらに翌日。
再び面会に行ったの。
デイルームでの面会だったんだけど、母は車いすで看護師さんに押してもらってやってきたわ。
食事が開始になったと聞いててから、妹が小さなプリンを持ってきてくれてて、差し出したら、嬉しそうに「美味しい」と言いながら完食よ。
車いすに乗ってるけどトイレには歩いて行ってるって言うし、姿勢も保ててる。
言葉もスムーズで言語障害が有るようには見えない。
プリンを食べる様子を見ていても手指の麻痺が有るようにも思えないし嚥下も大丈夫そう。
確かに、頓珍漢なことは言うけど、それは今に始まった事じゃなく、難聴だから言われてることが聞こえなくて見当はずれの返事になることもあるし、もともと年齢相応の認知症は有るから出血がなくても頓珍漢な時は有ったし。
娘から見る母は、そんなに変化が有るようには思えなかったけれど、それでもリハビリが必要だと医師が言うのだから必要なんだろうと納得することにしたの。
で、現在は、次の転院先を探してもらってるところで。
つまり、母は、脳外に入院中ってことなのよ。
母は、認知症の症状が出始めても、お寺の事はずっと気にしててね。
お寺から法要の案内を頂くと、何度も確認していたから、お彼岸の法要も行きたかったと思うの。
けど、安静が必要で、入院中だもん。
行けなくても仕方が無いわよね。
でね、妹と2人で代わりに行くことにしたって訳よ。

まめまるの実家は、もともと浄土宗だったのよ。
ところが娘二人が、それぞれ嫁いでしまったので、あとを継ぐ人がいなくなったのね。
で、父は色々と考えて墓じまいをすることにしたの。
永代供養をしてくれるお寺を決めるにあたって、自宅からの近さとお寺がきちんと続くかどうかを重視したところ、今のお寺と縁が有ってね。
ところが、宗派が日蓮宗なのね。
同じ仏教だから改宗とは言えないのかもしれないけど、やっぱり迷ったみたいだったわ。
けど、住職さんが受けて下さったことと、自宅から近いほうが父と母のどちらが先に亡くなったとしても、お参りしやすいだろうって事で、今お世話になってるお寺に決めたのね。
でね。
事あるごとに、お経をあげていただくのだけれど、当たり前だけど日蓮宗だから浄土宗とはお題目も作法も違うのよね。
正直はじめは戸惑ったし、びっくりしたことも沢山あったわ。
比較出来たからこそ驚いたわ。
印象としては日蓮宗の方が、にぎやかで元気が良い感じだわね。
先日の法要も、語弊が有るといけないけどある意味ライブとかフェス感が有ると言うか。
まずね、入り口でお布施をお渡しするの。
ライブの参加費用ね。
で、紙コップに入ったお茶を下さるのよ。
ウエルカムドリンクよ。
着席して開演の時間まで待つわ。
どんどん、席が埋まって行って、近くの人と「今日は寒いですね~」なんて他愛もない世間話をしてみたりするのよ。
定刻になったら住職さんの登場よ。
満を持して登場して始まるわ。
住職さんの声はメインボーカルにふさわしく良く通る素晴らしい声なのよ。
音痴だと住職さんになりにくいわ。
当然、皆が一緒にお経をあげるのよ。
佳境に入れば、声も大きくなるわね。
楽器はそうね。
太鼓よ。
大きなお太鼓を打つ専門の人がいて、長年の檀家さんには小さな手持ちの太鼓が撒かれて、一緒に太鼓を打って。
お焼香の香りや煙は過剰なくらい充満してて。
お経の間で、時々お札のようなものを住職さんが右へ左へと1枚づつ投げられて、最前列に座っている檀家さんが、恭しく拾って懐にそっと忍ばすの。
まるでアイドルが投げたタオルを大事に持って帰るように。
途中でお焼香タイムが始まるのよ。
2列に並んで、左右から中央の祭壇に向かってお焼香を済ませるわ。
その後は、飾って下さってる卒塔婆にしきびを水で濡らして這わすの。
邪気を払うって意味が有るらしいわ。
全員が済ますまで読経は途切れないわね。
全員がお焼香を済ませて着席すると、再び全員でお経を唱えるの。
凄く一体感が有って、そう言う意味でライブみたいなのよ。
厳かさは浄土宗の方が有るけど、元気は日蓮宗の方が出るわね。
悲しい時って、寄り添って一緒に悲しんでくれることも嬉しいけど、一緒に歌ったり演奏して気分を紛らわせることも大事だったりするもんね。
そんな感じなのかしら?なんて思ったわ。
全く信心深くない一般人の感想よ。
「なんて失礼な!罰当たりだわ」と思う方がいたら、許してね。

でね、法要の間に投げられた札なんだけど。
これなのよ。

どうして持ってるのかと言えば、お焼香の順番待ちをしていたら、拾った古い檀家さんが、何故だかまめまるに下さったのよ。
綺麗よね。
紙製でお香が炊かれているのかしら?いい匂いがするのよ。
自宅に帰って調べてみたら、散華(さんげ)って言う物らしいと分かったのよ。
これって皆知ってるものなのかしら?
字の通りで、散らす華ね。
法要を執り行う際、仏さまをお迎えするお堂を清め、供養をするために撒かれる華のことらしいの。
だから、蓮の形なのね。
図案は沢山あって、コレクションしてる人もいるそうよ。
本来は生花を蒔いてたんだって。
でもそこは諸事情が有るわよね?
紙製の物を撒いて、代わりにしてるってわけね。
これね、せっかく譲って下さったし、綺麗だから栞にでもさせていただこうかな?と思ってたのよ。
でも調べたら、勿論栞にしても良いけど、仏壇にお供えしたり、邪気を払う力が有るから、お財布に入れてお守りとして使うことも出来る書いてあったのね。
これを知って、あぁそう言うことか…と。
祖母や父が、母に持たせてって言ってるんだな…と。
やっぱり偶然とかたまたまとかって、そうじゃないのね。
まめまるのところにこのお札がやって来た理由が分かったので、次に母の面会に行くときに渡して、法要の報告をして来るつもりよ。
ふふふ。
喜ぶ顔が浮かぶわ。

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