一つ売って、一つ買って

メルカリで鞄を一つ売って、一つ買った

売ったのは、2012年に大丸神戸店で18900円で購入した皮の製品
B5サイズの書類が入る位の大きさで、茶色。
当時も今も、物欲が少ない私が一目ぼれして5分で即決し、定価で買った鞄だった。
色や形や大きさが、こういう鞄が欲しいなという私の希望通りだった。
皮製品は好き。
購入したての匂いが好き。
大事に使えば、経年とともに新たな味わいが出てきて、馴染んでくるのも好き。
デザインが、少し可愛いが、50代は使うつもりだった。
ケド、9年間で実際使ったのは、トータルでも、30回位かなぁ。
特にここ5年程は、1、2回。

理由は、2つ有った。
1つ目の理由は、重さ。
鞄だけ持つと、そんなに感じないが、中に物を入れると、鞄の重さが地味に堪える。
ここ5年程、特に使わなくなったのは、主にこれが原因。
腰と足に負担だった。
今回、郵送するために量ってみたら、同じくらいの大きさのよく使う鞄より360ℊ程重かった。
数字で見ると、たったこれだけの違い?と驚いたけれど、どっちの鞄を持ってこうかと迷った時に、「より好きな方」よりも「より軽い方」が自分が自覚している以上に重要だったみたいだ。
2つ目の理由は、雨に弱いことだった。
表面に加工はしてあったが、雨に濡れると変色し、わずかにしみになった。
防水スプレーなどで予防をすれば良いのだけれど、それも出来ればしたくなかったから、天気予報で雨となっていたら使えなかった。
私の中では、「お気に入りだけれど、晴れの日専用の重たい鞄」の認識になって行った。
その結果、出番は年に1、2回に減った。
具体的に言えば、車でお出かけする時。
しかも、目的地で散策しない時。
そんな場面でしか、使う事がなくなった。
3200円で売れたけれど、手数料や送料を支払うと、手残りは2050円だった。
けれど、皮製品は使ってなんぼ。
使わなければ味も出てこない。
お気に入りだったからこそ、綺麗な内に売却できて良かった。

そして、買ったのは、無印良品のサコッシュ450円。
定価は1000円程らしいが、未使用品では無い為の価格だった。
以前から欲しかった色と大きさの物が傷や汚れなしの状態で出品されていたので購入してみた。
今の私に必要なのは、スマホと鍵とコインケース、手帳、エコバッグがぎりぎり入る大きさ。
両手が空くポシェット。
外で濡れても大丈夫な撥水加工がされている事。
車椅子を押すにも、スーパーに買い物に行くにも、必要な機能はこれだけ。

奇しくも同じ日に、届けられて、また届いた。
サコッシュは、思っていた通りの色と大きさで、毎日活躍してくれそう。全く使用感も無く綺麗で、嬉しい。
皮の鞄は、「大切に使わせていただきます」とコメントが来て、これまた嬉しかった。

私は、物を買うとき消耗品でなければ、「一生大事にします」位の勢いで買う。
必要で好きなものを買う。
縁を結ぶと思っている。
大事に扱う。
当たり前だろうと言われそうだけれど、「安いから」「お得だから」「有ると便利だから」「みんなに自慢できるから」「なんとなくノリで」なんて理由では買わないという事。
だから、壊れてしまったら仕方がないと諦めるが、壊れてもないのに不要だからと処分するのは、とても抵抗がある。
それは、100円の物でも、100万円の物でも同じで。
その時に必要で好きなものが100円だったり100万円だったりするだけで、買えるか買えないかは別として価格自体にさほど大きな意味は無い。
100万円でも、必要で好きで縁を結びたいと思えば、勿論物理的に100万円が有れば、支払いが可能ならばだけれど、買う。
100円でも、安いからとかお得だからと言う理由で、買ってみて不要なら捨てれば良いと言う考えで買う事は無い。
ケド、現実として、好みも必要なものも変わってゆく。
「一生大事にします」は、なかなか実行されない。

10年前の私なら、ゴミとして泣く泣く処分していたかもしれないものが、こうして誰かさんの手に渡って大事にして貰えたり、また誰かさんの不用品が私のところにやって来て使わせて貰えるのは、お金以上の価値が有る。
遅ればせながら、勇気を出して利用してみたメルカリさん。
私には金銭的なメリットよりも、精神的なメリットの方が多かったようです。
どちらにしても、素晴らしいシステム。
メルカリさん、good job!

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