うー様とぬくぬくマット

朝晩、めっきり涼しく、いや寒くなってきた。
夏の間は、廊下や畳の上と言ったひんやり感じる場所や窓辺の風が通る場所に、転がっていたうー様が、私の部屋の押し入れを好むようになってきた。
私の部屋は和室で、縦横75㎝×75㎝のパーソナルなこたつを、冬以外は掛け布団をはずして、事務用机として使っている。
押し入れには、毛布や羽毛布団が布団カバーにくるまれて、ふんわりと出番待ちしている。
カバーはされているけれど、ちんまりと上に乗れば、カバー越しに温かさが伝わるらしい。
おりこうさんなので、良く分かっている。
うー様は、自分ファーストだから、布団カバーにうー様の毛が付くことなんて、知ったこっちゃないし、私が掃除機やコロコロで掃除するのも他人事。
自分が快適かどうかが何より大事。
私は「自分の快適さを主張して、その結果、それが例え家族でも、何らかの手を煩わせることになるなら、自分が我慢する方が良い」と考えがちな生き物なので、うー様の行動は羨ましい。
ケド、実際うー様が私の手を煩わせたからと言って、私がとっても不快で、とっても大変か?と言えば、そんな事は無い。
いや、むしろ、「もう、手のかかる仕方ない子やねぇ」などと言いながら、笑みさえ浮かべてイソイソとお世話をしている。
「かぁちゃん、ありがと」と言わんばかりに、スリスリされたら、オールオッケー。
そうなのだ。
他人様の手を煩わせると迷惑に違いない、だから、他人様に迷惑をかけないように自分の希望や主張は控えよう・・・。
思い込んでいるが、そうでも無いバージョンが有ると知って、茫然となる。
愛されていると、多少煩わしいことが増えても、許されてしまう。
愛い奴は最強。
まぁ、猫にコロコロや掃除機を持って掃除しろと言っても、物理的に無理なことは火を見るよりも明らか。
求める方が間違っている。
私が山彦さんに同じ事をしたら、「人間はコロコロも掃除機も持てる。我がのケツは我がで拭け」と、言われるだろう。
だったら愛され力とは関係ないか・・・。
押し入れに出たり入ったりしているうー様を見ながら、「非力で愛される私が、何もかも周りにやって貰う図」を夢想。
無いな。
現実の私は、30年間のサラリーマン生活で、すっかり雄々しく、トゲトゲになっちゃってる。
悲しいかな、我がの事は大抵我がで出来る。

さて、これ以上、うー様が押し入れに出たり入ったりしているのを温かい目で見守ってるわけにもいかない。
「ぬくぬくマットとこたつを出そう」
うー様の為だと、しぶしぶ決心。
内心は、こたつを出すと掃除機がかけにくいし、出す作業自体面倒くさいとうっすら。
ケド、雄々しい私には自分でやるという選択肢しか無いし、実際出来ちゃう。
残念である。
文字通り重い腰をあげて、くつろいでいるうー様を押し入れから一旦退去してもらう。
「うにゃ」と抗議の声を上げるが、「ぬくぬくマット~、ぬくぬくマット~」と理解不能な歌を歌いつつ、迫り来る飼い主に恐れをなし、お気に入りのキャットタワーに避難。
その隙に、こたつ布団とぬくぬくマットを引っ張り出した。
ぬくぬくマットは、人間用の座布団サイズのホットカーペット。
うー様用の物は、強弱が調整出来る高級品。
低温やけどするといけないので、私がかつて独身時代に使っていたこれまたブランド物のショールを乗せて、防御。
ショールの厚みを調整し「ほんのり温かい」を見事に実現。
私用のぬくぬくマットもついでに用意。
こちらは、温度調節ができない安物。
しかも、私のお尻がどうなろうと困るのは私だけなので、やけど対策は無し(哀)
どちらもコンセントを挿してスイッチをいれるだけ。
こたつ布団は、テーブルが既に有るので、天板をずらしてセットするだけ。
柔軟剤の香りがほんのりするこたつ布団が掛けられて、暗くなった内部に、うー様のぬくぬくマットが置かれる。
こたつのスイッチは、基本入れない。
わずかに鳴る、「うーん」の音を、うー様が嫌うから。
ぬくぬくマットのスイッチは、おん。
結構すぐに温かくなる。

こたつに布団が掛けられると、うー様が走ってやってきた。
一昨年までは、うー様が幼かったし、脱水などの症状がでても家に居なければ気が付いてあげれないかもしれないから、エアコンで室温のコントロールをしていた。
昨年、防寒用にペット用のこたつを買おうかと検討したが、気に入ってくれる確証がなかったので、電源が入っていない人間用のこたつ+ぬくぬくマットを試したところ、暗くて、程よく狭くて、温かいけど逃げるところもあって、私の近くに居れて安心(これは私の希望的観測)と絶賛だったので、今年も同じ仕様。
去年は、かなり警戒してなかなか入らなかったけれど、今年は秒で吸い込まれて、ちゃっかりぬくぬくマットの上に乗って、全身をくつろぎモードにしてグルーミングを始める。
去年、快適だったことを覚えているらしい。
心配なので、お水もこたつの内部にセットし、飲みたいときにすぐに飲めるようにする。
何しろ、お好みがはっきりしている。
嫌いなものは、絶対使わないし食べない。
猫用ハウス、夏用クールマット、各種チュール、おもちゃ・・・、ファーストコンタクトで〇×がほぼ決まるが、数々のお品が関門を突破できず、廃棄されていった。
潔い。
使うものしか買わないと決めている私にとって、使うか使わないか分からないうー様のグッズを買うのは、なかなかストレス。
結果、「うー様が気に入らなければ、私が使えるもの」つまり人間仕様の物をうー様用に工夫して使ってみて、良ければ専用の物を買うか検討するスタイルになりつつある。
チュールやパウチタイプのご飯、おやつ等は、私が代わりに食べましょってわけに行かないから、4本パックとか、5個連なってる奴とか、買いにくい。
1個開けて、気に入らなければ、残りは廃棄になってしまうから。
割高でも良いから、ぜひバラ売りも検討してもらいたいとメーカーさんにお願いしたい。

そんなこんなで、うー様の冬対策が、早々と終わった。

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