貯蓄バカ、投資バカ

家計・投資

「貯蓄バカと投資バカ」
そんな言葉を聞いた。
最近、どちらかに極端に偏っている人が増えているそうだ。

例えば「35歳で200万円の貯蓄が有って、65歳時に2000万円にしたい」と思っているとしよう。
差額の1800万円を35歳から65歳までの30年間で用意するために、
①貯蓄のみだと、1800万円÷30年=60万円/年となって、1か月あたり5万円の貯蓄が必要。
②投資のみだと、年4%で運用、元本200万円、30年間の複利計算だと、2万円/月を積立投資すれば、元本920万円が2023万円となる。
但し、投資で得られる4%には当然リスクが有って、元本が保証されているわけではないから、ひょっとしたら920万円を割り込んで、損をする可能性も有る。
さて、①と②のどっちにする?

実は現実の選択肢は1つではない。
選択肢としてあがってないけれど、「両方」だって可能。
例えば、「毎月2万円を貯金」+「元本200万円は最初に投資し、さらに毎月1万円を年4%、複利で積立投資」これを30年間続けたら、元本1280万円が720万円+1336万円=2056万円となる。

①の場合、目標を達成するために、余裕で毎月5万円貯金し続けられるなら、貯蓄のみで良い。
けれど、現在毎月3万円しか貯蓄できていない状況なら、節約したり、昇給するよう資格をとったり転職したり、副業したりして、プラス2万円を目指す必要がある。ボーナスが有るなら、ボーナスで補填という手もあるかもしれない。
けれど、それが難しいならば、投資を検討するべき。
今のままだと目標に達しないことが分かっているのに、とるべきリスクを取らずに、貯蓄のみしか検討しないのは「貯蓄バカ」。

これが②の投資のみなら、年4%で運用、元本200万円、30年間の複利計算で3万円/月積み立てると、元本1280万円が2711万円となって、目標の2000万円をはるかに超える。
目標達成のためのリスクよりも過剰なリスクをとって、「全て投資」を選ぶのは「投資バカ」。

自分の目標金額と掛けられる年数、リスク許容度に合わせて、極端なことはせず、「両方」取り混ぜましょうと。
そんな言葉らしい。

へぇ。
なるほどなぁ。
ケド、「65歳で2000万円」が老後のための資金なら、自己目標と言うより、必要だよって国が言ってる金額で。
勿論、この2000万円が適当な目標かどうかは、公的年金がどのくらい貰える予定か?、毎月の生活費はどのくらいあればストレスなく暮らせるのか?等で、個人差がかなり有ると思います。
なので、「もしも目標が2000万円で、それが老後のための最低必要なお金だったとしたら」の話ですが、「結果的に3000万円に増えちゃいました!てへっ」だったら、なお良しだけど、反対に「結果的に1000万円にしかなりませんでした、あれー」では困る。

だとしたら、「65歳で2000万円」は必ず達成したい目標だから、「貯蓄バカ」で備える。
節約するなり、転職して給料を上げるなり、副業して別の収入を確保するなりして5万円/月の貯金を確保することに力を注ぐ。
で、もし、+アルファとして蓄える余力が有るのなら、この+アルファの部分はは「投資バカ」でも良いし、「両方」でも良い。
あくまで、余裕資金だから、多少増えようが減ろうが、「貯蓄バカ」で蓄えた2000万円に影響が出なければ大丈夫。

そもそも、もしも公的年金だけで基本的な生活が賄える額を貰える人なら、この場合の2000万円は余裕資金だから、「投資バカ」でも良いわけで。

結局、貯めたいお金がどういう種類の、どういう用途のお金かって前提が、「投資バカ」になるか、「貯蓄バカ」になるか、「両方」になるかを決めるんじゃないのかなぁと思うのです。

リスク許容度は、個人差が随分有ります。
例えば、100円損しても嫌な人もいれば、1000万円損しても平気な人もいます。
全資産2000万円の人が半分になるのと、10億円の人が半分になるのとでは違うし。
今年投資を始めたばかりで、資産が半分になったら、それが例え一時的だったとしても、仕事が手につかなくなる位の影響は有りそう。
元来の性格や、持ってる資産の額、相場の慣れ等で、全然違いますよね?

そして、貯めているお金の用途、使用目的でリスク許容度は違って当たり前。
例えば、
老後資金、教育資金は減ると困るお金だから、リスク少「貯蓄バカ」で。
住宅資金や自動車購入資金は、少し減ってもランクを落とせば良いから、リスク中「両方」で。
旅行費用や趣味費は、もしも無くなったとしても、生活に支障がないのでリスク大「投資バカ」で。
それぞれ貯めていこうみたいな感じ。
(どの項目が、どのリスクになるかは、個人の状況、価値観次第です)

これを、しっかり分けておけば、自分の資産のうち、減ると困るお金と減っても困らないお金の額がはっきりし、絶対減らしたくないお金を投資に回したり、少々リスクをとっても良いお金を普通預金に入れっぱなしにしたりって事が無いのかなぁと思うのです。

ちなみに私の場合は、性格が小心者の怖がりで、使用目的は老後資金。
少し増えたらもちろん嬉しいけど、最悪半分になっても甘んじて受け入れますというお金を投資に回しています。
メインは、世界分散型の株式と債券のバランスファンド。
スタート時の積み立て額は数千円/月でした。
それが、私が投資を始めた2014年以降は相場が良く、大きい下落が無かったので、徐々に増やして行って、現在の積み立て額は10倍以上になっています。
初めて体験する暴落のコロナショック時も、中止しようと思いませんでした。
慣れてきています。
減らしたくないお金を別に確保しつつ、積み立て投資をしています。
「両方」バージョンですね。
今年に入って、株式の割高感が満載で積極的な投資はしにくい状況だし、近々暴落が有るかも?なんて言われています。
中国の不動産会社の件も気にはなります。
無職になったので、キャッシュを減らして投資に回している状況です。
それでも積み立て額を減らそうとは思っていません。
投資に回そうと決めた額(全体に占める割合)に到達していないので、到達するまでは続けるつもりです。
だってね、使う予定はまだ10年以上先だから。
20年以上継続して投資すれば、損はしないという過去のデータを信じているので。
暴落だって、いつ来るか?本当に来るのか?どのくらいの暴落になるのか?結局誰も分からないし、予想しても仕方ないし。
そして、大事なことは、キャッシュで持っててもインフレリスクが有るってこと。
「貯蓄バカ」は、実はノーリスクではないってこと。
なので、現在株価が割高でも、10年後から見れば割安だと信じて、「貯蓄」と「投資」のバランスを決めた割合を逸脱しないように注意しつつ、焦らずにボチボチです。

私が好きな言葉に「中庸」が有ります。
どちらかといえば真面目で、目標を決めたら周りが見えなくなるタイプの私が、最近特に気を付けていること。
何事も、「極端なことはせずに、ほどほどに」。

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