うー様とカメムシ

うー様

カメムシがいつのまにやら部屋に入ってきていた。

カメムシとは、カメムシ目カメムシ亜目の昆虫。
一般的に亀の甲羅の形をしているから、亀虫=カメムシと言われるそう。
触ると、くさーい臭いをまき散らす、あれ。
最近よく見かけるのは5角形の緑色したアオカメムシと言われる種類だけれど、私が小学生だった昭和50年代頃は茶色くて5mm程度の大きさのマルカメムシの方がよく見かけたように記憶する。
秋の運動会のシーズンには、練習中に白い体操服や赤い帽子にカメムシが良くとまった。
運悪くとまられた子は、まるで犬のうんちを踏んづけた子が「やーい、やーい」とはやし立てられ、しばらく「うんち君」等と呼ばれてからかわれた様に、「カメカメマン」等と身も蓋もない呼び名を賜ることになり、子供心に理不尽な思いをしたものである。

我が家にやって来たのは、マルカメムシだった。
洗濯ものにでもくっ付いて入ってきてしまったのだろう。
私が気が付いた時には、うー様とタイマンを張ってる最中だった。
お尻フリフリで、カメムシに挑むうー様。
「やるんかやるんか」と縦5mm×横5mmのカメムシ相手に大騒ぎしている。
なかなか威勢は良いが、肝心の猫パンチは猫ちょいちょいとなって、一向に当たりそうもない。
しかしこのままでは、いずれ罪のない命がおもちゃになってしまうかも。
うー様が興味を無くしたころを見計らい、「救出し外に放してやろう」作戦を決行した。

言い訳をするなら、私、現在老眼が着々と進行中で。
視点が合いません、はい。
だもんで、うー様とタイマン張っていた虫がカメムシだと気付いて無かったのです。
子供の頃はよく会っていたはずなのに、久しぶりに再会すると誰だか判らなかった友ってところ。
茶色いけどテントウムシかぁ?位の勢いで指でつまんでみます。
当然、カメムシ様大暴れ&くさくさビーム発射。
私、撃沈・・・と。
そして気付く、「あなたカメムシ様だったのね」と。
そりゃ、そうなるわよね。
カメムシ様だって必死だもん。
茶色いシマシマの生き物から逃れてやれやれと思ってたら、背中からつままれて宙に浮いてるんだもん。
カメムシよ、ゴメン。
あなたがカメムシだって気付いてたら、素手でつまむなんて暴挙には私も出なかったさ。
とは言え、もうがっつりつまんでるし。
放すとしたら、現在の立ち位置ではなく、数歩先の玄関から出た屋外であろう。
お利口な私は瞬時に最適解を導き出し、小走りで玄関に進み、そしてカメムシ様をそっと放る。
ポイントは「そっと」&「放る」。
カメムシ様が傷つかないように、そして私から出来るだけ遠く離れるように(祈)
やれやれだぜ。
やってやったぜ。
わざと、「ふぅ」とか言いながら、カメカメ臭を落とすべくハンドソープで手を洗った。
くさくさビームから我が家とうー様を守り、カメムシ様の命を救う任務を完了した私は、意気揚々とうー様に報告しよう近づいた。
そしたら、へっぴり腰で私の手を嗅いで、「うぇっ」って。
いやいやいや、うー様、手はしっかり洗ったよ。
伝えてみるが、信じてくれない。
「それ、洗ってないっしょ」と言い張って、眉間にしわ寄せて遠くで見ている。
う~ん。
仕方ないから、ハンドソープで2回目洗う。→不合格
3回目は洗濯石鹸で洗う→不合格
4回目は食器用洗剤で洗う→不合格
5回目は歯磨き粉で洗う→合格オメデトウ!
なんと、5回洗って、やっと合格いただけました。

猫はカメムシが大嫌いなんですね。
じゃ、あれだ。
猫除けスプレーはカメムシ臭で作れば上手くいくんじゃない?

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