うー様の体温

うー様

私が住む地域は、昨日の晩からまとまった雨が降った。
昨日の夕方には、湿気を含んだ匂いがして、雨の予感がむんむん。
案の定、夜中から朝方にかけて久しぶりに雨らしい雨になった。
朝起きて、窓を開ける。
白い雲と青空が広がり、小鳥がちゅんちゅんと飛び交う。
空気を味わうように、ゆっくり息を吸う。
ひんやりとした、清涼感のある空気が肺に入ってくるのを確かめた。
ぶるっ。
思いの外、寒い。
あわてて、窓を閉める。
時折、小さなぶーんと大きなぶーんが窓を押して、涼しいを通り越して再びぶるっとなった。
長袖のカーディガンを羽織ってみた。
丁度良い。
さっきまで一緒に寝ていたうー様は、さっさと起きだして3本の足で突っ張り、右足をおもいきり伸ばしている。

朝起きて、まずやること。
うー様のお水とカリカリの交換。
お水は、ダイニングと私の部屋に置いてある。
カリカリは私の部屋。
以前は、カリカリもダイニングに置いていたが、何しろ食べない。
食べてチビチビなので、なかなか減らない。
1回の量を減らして回数を増やしてみたり、煮干しをトッピングしてみたり。
試行錯誤してみた結果、そんなことではなくて、うー様が食べようと思った時に近くに有る事が大事らしいと判明。
通りすがりにご飯が目に入れば食べても良くってよ~、という何とも上から目線のスタイル。
しかも、一番食べるのは夜中。
ちょっと寝て、ちょっと起きて、ちょっと暴れて、ちょっとおしっこして、ついでに目に入ればカリカリ食べて、またちょっと寝る。
これを繰り返してる(笑)
だったら、一緒に寝ている私の部屋に有れば、起きた時と寝る時の2回は目に入るはずだから食べやすかろう。
この作戦は、そこそこ成功し、朝起きると完食してる日も増えた。
かくして、私の部屋に、うー様のカリカリが置かれ、朝一番と寝る前に交換されることになったのだ。

お水とカリカリの交換という重大任務を完了し、コーヒーを入れる。
貧乏なくせに、日曜日の今日は山彦さんがいるので、ドリップタイプ。
平日のインスタントコーヒーから格上げ。
ドリップされる間に漂う、香ばしさと甘さを含む香りにうっとり。
1杯28円の幸せ。

そこに、うー様がすたすたと登場。
椅子に腰かける私の膝に、2本足で立ち上がり、ちょいちょいしながら、「お散歩に行こう」と誘う。
ご飯を食べようとかお茶を飲もうと私がテーブルにつくと、うー様的には「私が暇になった」と認識されるのか「かまってタイム」が始まる。
私的には、用事を終えて、「やれ一息吐こうかな」で腰掛けるので、認識に随分ずれが有るが、ここはうー様に寄り添うしか選択肢は無い。
「ややこしい子やなぁ」等と、さも面倒くさそうに呟きつつ、うー様の御要望にお応えし、あっさり玄関まで誘われる。
「ナー」の鳴き声ひとつで、玄関ドアの前で、だっこする。
「あぁ、あたたかい」
うー様の体温を感じて、更にぎゅっとしてみる。
掌に心臓のどくどく。
ふわっふわの感触。
ついでに、匂いも嗅いでみる。
元気で生きている命を味わう。
もしかして、これを堪能したくて私はうー様のだっこ散歩に出掛けるのかもしれない。

因みに、大人猫の体温は38度~39度。
平熱が人間より2~3度高い。
眠くなったり、興奮すると、さらに温かくなる。
お腹は冷やしちゃいけない所だと、ちゃんと分かっているので、丸くなってガードし、やっぱり温かい。
そう。
どんな時も、猫はあたたかいのだ。
そのあたたかさで、人間の脳からは癒しのホルモンが分泌されて、幸せになる。
どうりで。
うー様がいると、幸せなはずだ。

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