電柱の腹巻き?

荒ごみをゴミステーションに持って行った帰りの事だった。
20代前半と思われる女性が電柱の前で佇んでいる。
女性が飼っているオカメインコのあんずちゃんが逃げたらしい。
捜索の為、近所にチラシを撒いて、ポスターを電柱に貼っているという。
全身がクリーム色から薄い黄色で、ほっぺたにオレンジ色の丸が付いているあんずちゃんの写真と、歌を歌うのが得意です等と特徴が印刷されていて、パウチ加工済のポスターを手に持っている。
逃げると猫の回収でも大変なのに、インコとなると自発的に帰ってきてくれないなら難しいだろうなと思いながら見ていると、とっても貼りにくそうにされている。
よく見ると、表面が凸凹してて、確かに貼りずらい。
というか、貼ってもすぐに剥がれそうだ。
まさかの障害。
あんずちゃんの捜索を妨害する、悪の組織の仕業か???
そんなわけ無い。

調べてみると、電柱には「電柱保護板」とか「電柱標識板」と言われる巻物が腹巻きのように巻かれている事があるそう。
黒と黄色のトラ模様は、「電柱標識板」。
電柱に巻き付けることで、自動車やバイクのライトを反射させたり昼間でも目立たせることで事故を防止する為の物。
グレーのものは「電柱防護板」で電柱を保護するもの、表面がフラットでないのはポスターを貼りにくくする為の物。
今回のは、まさに防護板。そもそも貼りにくく加工されているのだから、貼りにくくて当然だったのだ。
ほー。
当たり前だけれど、どんな物にも名前が有って、ちゃんと理由が有って工夫されて設置されているんだな。
しかも、電柱にポスターを貼ること自体が違法なんだと。

結局、女性はポスターを貼ることを諦めた。

で、考えたんだよ。
確かに、景観的には汚くなるし、設置目的から考えてもポスターは良くないのかもしれない。
ケド、動物とは言え「ペットは家族である」という信条の私からすると、認知症の爺ちゃんや婆ちゃんがいなくなりましたとか、幼稚園児が迷子ですとかってのと変わらないわけで。
命に係わるかもしれないから早く保護したいわけで。
一刻を争うからみんなの力を貸して欲しくて、助けて欲しくて貼るわけで。
何かを売りたいとか、宣伝したいって言うのとはちょっと違うのではないかと。
しかも、電柱は場所といい、高さといい、広告効果は抜群なわけで。
だったら、ルールを決めて、設置場所や大きさを管理者側で指定して。
言うなれば、広告の窓のようなものを予め作って、広告料をちゃんととって、広告の内容も選別して利用すれば良いのではないかと。

あんずちゃんを心配する女性を心配した私でした。

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